オケラはあいかわらず・・・。

カテゴリー

私の畑のにんじん栽培で初期に問題となるのはモグラとオケラです。

モグラはこれまで書いてきたように、5匹捕まえていて、今シーズンはまだ被害に遭っていません。
私の畑を根城にしていたのはおの5匹だけだったのかな。そうだといいな。

でも、オケラはあいかわらずです。

種まきしたあとの畑をこんな風にします。


白く筋になっているのはオケラが地中を通った跡です。
なんだか畑に絵を描いているみたいですが、そんなお人好しなことを言っている場合ではありません。

地表面の近くでみるとこうなってます。


にんじんは発芽しづらい作物で、発芽までに土が乾くと発芽率が極端に下がります。
オケラが通った後は土が盛り上がって乾燥して、そこに種があった場合は発芽しなくなります。

せっかく種まきした畑をこうやって荒らしてしまうオケラはこんな顔です。


強力な前足(?)で土中を縦横無人に掘り進みます。


困ったヤツなのですが、愛嬌のある顔をしていて、種をまいたところを通りさえしなければ生かしといてやるんだけどなぁ。

そして発芽後も問題です。
前回発芽してひと安心と書きましたが、まだにんじんの根が土中に伸びきらないところをオケラが通ると根っこごと土を盛り上げて枯らしてしまいます。

まんべんなく発芽していたのに、気づくとスカスカになっているなんてことがあります。
ひどいとこんな状況になることもあります。


以前はオケラ跡を指で押して潰していましたが、多勢に無勢なのと、潰したことでの効果があまり見られないので、今はなすがままです。
早くにんじんの根がオケラの活動域よりも深く伸びるのを願うばかりです。






 

にんじんの発芽

カテゴリー

播種から1週間ほどすると発芽してきます。

「おっ、出た!」
まだ周りとの間隔は空いていて、コイツだけポツンとしてます。

翌日になると

まだまだ間隔はありますが、奥のほうにも発芽しているのがわかるでしょうか。

そんな中、軸が地表に出てきて発芽直前のものをみつけました。

にんじんは広範囲に種をまくので、歩きながら「この辺は発芽が早いな」とか「この辺はちょっと薄いな」なんて見て回るので、なかなか発芽の瞬間そのものには気づけません。
これまでのにんじん栽培の中で初めて写真に撮ることができました。

こんな風にポツリポツリと発芽が始まりますが、10日過ぎるころには揃い始めてきます。


ここから1週間ほどすると

「おお!揃った!」

ところどころ薄いところははあるのですが、これぐらいであればまずは合格点。
ひと安心です。




 

にんじんの種まき 我が名は「ごんべえ」

カテゴリー

畑の準備が終わったら種まきです。
今年も品種は「らいむ」です。

にんじんなのに何故このネーミング?と毎年思いますが理由はわかりません。
このボトルに種が1万粒入っていて、ハウス1棟で使い切ります。

種の様子です。

この白い粒がにんじんの種の姿かというと、そうではありません。
白い部分はコーティング剤で、種はこの白い部分にくるまれています。
種まきしやすいように、種苗メーカーで加工していて、こういう種をコート種子といいます。

さて、種まきですが、1万粒を手でまく・・・なんてことをしていたらハウス1棟まくのに何日かかるか分かりません。

そこで播種機「ごんべえ」登場です。

これも何故「ごんべえ」なのか分かりません。安易ですが「たねまき君」とかそんなような名前でも良さそうなものですが…。
まぁ。農業者間では、播種機といえば「ごんべえ」となるぐらいに共通言語化しているので今さら名前の由来を気にすることもないのですが…。

種まきの様子です。
まず「ごんべえ」に種を入れます。


ここからは「ごんべえ」の動きですが昨シーズン細かく写真を撮ったのでそれを流用します。
「ごんべえ」の前輪です。土を崩しながら進むように突起が出ています。


この前輪が回るのと連動して、種が入っている部分の穴空きベルトも回ります。


この穴に種がはまって上に移動していきます。


そしてベルトがUターンするところで種が落ちます。


種は、「ごんべえ」の前輪の後にある舳先が土をかき分けた部分に落ちます。


種が落ちたところを金属の羽の部分が土を寄せて覆土していきます。


最後は後輪で鎮圧して土を押えます。


「ごんべえ」が進む前と

進んだ後です。


「ごんべえ」を押しながら通路部分を行ったり来たりして種まきは進んでいきます。
作ったベッドに5列から6列(農業者は5条、6条という呼び方をします)種まきをすることになります。

日が暮れてしまったので列が分かりづらい写真になってしまいましたが、このハウスの播種が終わりました。
「ごんべえ」大活躍です。


この後、頭上からたっぷり灌水して、発芽を待ちます。





 

にんじん、畑の準備、ベッドができるまで

カテゴリー

肥料を撒いてトラクターで耕した後、まずは通路を作ります。
通路以外は種をまくスペースになります。
この種をまくスペース、つまりにんじんが育っていくスペースになるのですが、これをベッドと呼んだりします。
通路を作ること=ベッド位置、面積確定ということになります。

通路を作る前です。

真ん中の通路から始めます。

通路の幅は両足が入るぐらいにしているので、足元はこんな風に摺り足で歩いています。

そして、そのときの目線は上、ハウスの屋台骨が自分の中心にくるように歩いていきます。


耕したばかりの土でフカフカしているので、写真のとおり足首に近いところまで沈みます。
ここを上を見ながら歩くのは体幹を鍛えるトレーニングになりそうです。
真ん中の通路が終わりました。

う~ん、出だしがちょっと歪んだな…。
ま、これくらいなら、播種機で歩くときに調整できるだろ。

左側に通路にかかります。
このときの目印はハウスの肩にあたるところのパイプです。

これが自分の右足にくるように歩いていきます。

右側の通路も同様に歩いて、通路部分ができあがります。


次に、この通路部分を歩きながらレーキでトラクターの轍をならしていきます。

トマトのように苗で植える場合は轍はそれほど問題になりませんが、種を直播きするにんじんの場合、播種機を走り易くすることと発芽を揃えるために、なるべく平らにします。
レーキがけが終わりました。

だいぶベッドらしくなってきました。

ここからベッドになる部分に堆肥と

カニガラを撒きます。


堆肥は肥料散布機で撒けないので(散布機が詰まってしまうので)袋を抱えて手で撒いていきます。
一袋15kgあるので、撒き始めはちょっとしんどい作業です。

カニガラは肥料散布機で撒けます。
堆肥もカニガラも撒き終りました。


堆肥もカニガラも肥料を撒くとき一緒に撒いて、耕してしまえばいいんじゃないの?と思われる方もいるかもしれません。

この堆肥とカニガラは、肥料分や土質改良といった目的ではなく、ゾウムシという害虫対策のためなのでこのタイミングで使っています。
毎年このゾウムシの成虫と幼虫の食害被害にあってます。
ゾウムシは甲虫といわれる種類で、甲虫は放線菌がキチン質を分解するときに出すキチナーゼという物質に弱いことが文献にでていました。
ならば、キチンを含むカニガラと放線菌を含む堆肥が、できるだけ地表面にあれば防ぐことができるのではないか、との思いでやっています。
昨シーズンからやりだしたことですが、やられずに済むというわけにはいかないものの、少し被害は抑えられている感じがしています。

ここからベッドの仕上げにもうひと仕事。
使うのはこれです。


このローラーを使ってベッドの土を鎮圧します。
通路を作っているときの写真のとおり、現状では土はフカフカです。
このままでは、種をまくときに播種機が沈み込んでしまって進みづらくなるのと、種も土中深く入り過ぎてしまって発芽が悪くなります。

これまでの経験で、ローラーを2度がけすると種まきに合う土の固さになってくれます。
ローラーで鎮圧したベッドとまだのベッドの違いがわかるでしょうか。
左半分が鎮圧後のベッドです。


ローラー鎮圧が終わりました。

これでベッドの出来上がりです。
通路もこの過程で何度も歩くので、足跡がなくなって通路らしくなってます。

畑の準備は整いました。
次はいよいよ種まきです。




 

にんじん、畑の準備

カテゴリー

トマトの片付けが終われば、にんじん栽培の準備です。
トマトが終わって、トラクターで耕した畑を


例によって水浸しにします。


毎回書いてますが、土中に水分を行き渡らせて、栽培前に微生物を活性化させるのが狙いです。
トマトもにんじんも栽培期間中は多量に水をやることはないので、作が終わった段階で必ずしています。
これが乾くまでに1週間から10日かかります。
この間この畑へは何もできないのが、日数的にもどかしいところです。

さて、乾いたら肥料を撒きます。
トマトのときの肥料分が残っていると判断しているので、チッソ分は抑え気味の分量です。

トマトのときは右側の肥料(チッソ分)は2袋まくのですが、にんじんは1袋、その他は半袋分です。

肥料散布機で撒いて、



撒き終ったら、トラクターで耕します。



例年それぞれの行程を分けてもう少し細かく書いていましたが、堆肥を撒くことと肥料分を少なくする以外はトマトのときとほぼ同じなので、今回は作業の流れに重きをおいて書いてみました。

ここから先はにんじん特有の作業になります。
それは、次回書こうと思います。