トマト脇芽の活用 トマトの生命力!

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脇芽は本筋の成長を弱くしてしまうので取り除くことはご紹介しました。
でも、樹勢が強い株は敢えて1本残して「二本仕立て」とする活用もご紹介しました。
この場合脇芽を取らずに活用です。

取った脇芽を生かす方法があります。

実は最後の播種分の発芽が悪く、ちょっと苗が足りないかもしれない状況でした。
定植分は足りるのですが、定植後活着しなかったり生育が極端に悪い株が出たときの「植え替え」要員、リリーフピッチャーになる苗が不足しそうだったのです。
そうかといって、新たに種をまいたのでは10日ほど成長がずれてまいます。

こんなとき、取った脇芽が役立ちます。

タライにセルトレイを逆さに入れ、水を張ります。
トマト脇芽の活用 トマトの生命力!
このセルトレイのひとつひとつの山が、一輪挿しの花瓶の役割になり、セルトレイは「一輪挿しの集合体」となります。


ここに取った脇芽を差していきます。
脇芽は折った部分を剃刀でカットして、できるだけ早く水につけてやります。
トマト脇芽の活用 トマトの生命力!
トマト脇芽の活用 トマトの生命力!
セルトレイの一つの山が一輪挿しになっているのがわかるでしょうか。


このまま直射日光にあたっていては、いくら水につかっていても枯れてしまいます。
でも温度は上げたくないので、薄い布覆いをつくって、養生してあげます。
トマト脇芽の活用 トマトの生命力!


2日に一回ほど水を入れ替えてあげて5日~7日たつとこうなります。
トマト脇芽の活用 トマトの生命力!
そう、根っこが出てくるのです。

トマトの生命力ってスゴイ‼
しかもこの出てきている根はすべて主根です。

トマトは種からは1本主根が出て、そこから側根が伸び、毛細根が出てきます。つまり主根は1本です。
ところが、こうして出てきた根は全て主根なので、それだけたくさん根を張っていくことができます。

根が出てきた脇芽は、「鉢上げ」してあげます。
ただ、これまでは水しか吸ってこなかった根ですので、土から株全体を賄う吸収力はありません。
再び養生してあげます。
トマト脇芽の活用 トマトの生命力!
それでも1日目はこんな風によれています
トマト脇芽の活用 トマトの生命力!

この間毎日水をあげ続け、2日ほど養生すると、根がだいぶ土に回ります。
トマト脇芽の活用 トマトの生命力!
ここからは日光をあて、光合成をさせていきます。

こうしてできた苗は、双葉→本葉→花芽のプロセスをショートカットして最初から花芽をもった苗になります。
根の特長を考えると、むしろこっちを植えたいぐらいのリリーフピッチャーができました。






 
この記事へのコメント
脇芽が、本茎になり、実をつける。

凄いことですね。

m(_ _)m
Posted by takahikosugimoto at 2023年05月26日 12:34
もともと有る茎から出てきたのが、主根ですか?

その主根からでてきたのが、側根という認識で合ってますか?

m(_ _)m
Posted by takahikosugimoto at 2023年05月27日 00:53
合ってます。
種から発芽する場合は主根がズドーンと伸びて、そこから側根が出て広がっていきます。

脇芽の茎から出ている根(写真に写っている根)は全て主根です。
あのすべてがズドーンと伸びて、それぞれの主根から側根が伸びていきます。

トマトの生命力はすごいですね!
Posted by ひとっちゃんひとっちゃん at 2023年05月27日 16:31
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    コメント(3)