にんじんのとう立ち

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にんじんはほうれん草などの葉物野菜やトマトなどの果菜類と違って、収穫を焦ることが少ない作物です。
農業者の言葉では「在圃性」の良い作物なんて言い方をします。
簡単に言えば、収穫せずに畑に植えたままにしておける期間が長いということです。

しかし、この時期だけは違います。

「薹(とう)立ち」が始まるからです。

にんじんも子孫を残すため、茎を成長させ、花を咲かせようとします。
この茎が成長しだすことを「とう立ち」といいます。
こういう状態になります。
にんじんのとう立ち
にんじんのとう立ち

根元近くはこうです。
にんじんのとう立ち
がっちり太い茎になっています。

「とうが立つ」という言葉を辞書で調べると、
①野菜などの花茎が伸びて硬くなり、食べ頃をすぎる。
②若い盛りの時期が過ぎる。年頃が過ぎる。
などと書かれています。

まさに①の状態なのですが、②の意味で私達は使うことが多いと思います。
「あの人もとうが立ってきちゃって・・・」なんて使い方で、「もうろくした」に近いニュアンスだと思います。
が、実際の作物の姿はこんなにも力強いものです。

抜いてみました。
にんじんのとう立ち
にんじん本体の倍以上の茎を伸ばしています。

さて、このにんじんは食べられるのか?

切ってみましょう。
にんじんのとう立ち
包丁がここまでしか入りません。にんじんの中心部がの筋が硬くなっているからです。

押し付けるようにして切った断面です。
にんじんのとう立ち
にんじんの中心部を白い筋のようなものが取り巻いているのがわかるでしょうか。
この筋の部分は煮ても硬くて、噛み切れません。
それ以外は食べられますので、食べられるといえば食べられるのですが、商品としては不可です。

この時期は時間がたてばたつほどこういうのが増えてきます。
収穫・出荷を急がねば!
焦りの季節です。











 
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